記録
エラーとヒットの分かれ目
保存して、試合中に見返してください。
スコア係を頼まれた人がいちばん困るのが、たぶんこれです。いまのはエラーなのか、ヒットなのか。
まず見るのは「触ったかどうか」ではありません。普通の守備をしていればアウトにできたか。ここが基本の分かれ目です。
だから、平凡なゴロが股の間を抜けていったときは、グラブに当たっていなくてもエラーになりえます。野手がボールに触れたかどうかは基準ではない、と規則の原注にはっきり書いてあります。
逆に、打球が強すぎて追いつけなかったとき。不規則にはねたり、野手に触れる前に塁や投手板に当たって方向が変わったりして、普通の守備では処理できなくなり、打者が一塁に生きたとき。こういうのは安打になります。方向が変わっても普通に処理できたはずなら、その限りではありません。
もうひとつまぎらわしいのが「捕ったのに間に合わなかった」。きちんと処理して一塁へ投げ、それでも打者走者に間に合わなかっただけなら、失策にはしません。はっきりしたミスをともなわない緩慢な守備動作は失策にしない、と原注にあります。ただし、先の走者をアウトにしようとするプレイが失敗して、普通に一塁へ投げていれば打者走者をアウトにできたと記録員が見た場合は、安打ではなく野手選択になります。走者を見ただけ、投げるふりをしただけで送球が遅れたのなら、安打のままです。
投手が一塁のベースカバーに入らない、といった判断のミスも、原則としてそれだけでは失策にしません。ただし規則に特別の定めがある場合や、判断のミスが実際のミスプレイにつながった場合は失策になります。
そして、迷ったときの決まりがあります。疑いのあるときは常に打者に有利な判定を与える、と規則に書いてあります(9.05(a)原注)。判断がつかない場面では、打者の側に寄せて記録することになっています。
ひとつ気をつけたいのが、打者が一塁に生きてもヒットにならない場面です。その打球で先の走者がフォースアウトになったときは、打者に安打を与えません(9.05(b)(1))。進塁義務のある走者が次の塁を踏み損ねてアピールでフォースアウトになったときも同じです。走者一塁でゴロ、二塁でアウト——打った子は一塁に立っていますが、ヒットではありません。
決めるのは審判ではなく記録員です。同じ打球で判断が分かれることはあります。